公正証書ってなに?

公正証書という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか

離婚する際に「公正証書」で離婚協議書を作成したり、遺言書を「公正証書」で作成することが多いのですが、時々、お金の貸し借りでも公正証書で契約書を作りたいという人もいます(昔、SFCG(商工ローン)は、公正証書で金銭消費貸借契約書を作っていたことがありました)。

そもそも、公正証書というのは何なのでしょうか?

弁護士が作成することができるものなのでしょうか?

公正証書とは、公証人が作成する公文書をいいます。そして、公証人というのは、法務大臣が、任命する公務員をいいます(元裁判官や検察官です)。

公文書で、離婚条件等を残してもらえる、遺言内容を残してもらえることから、裁判の証拠としてものすごく価値があります。まあ、この約束は無効だとか、この遺言書は偽造されたものだとか、言いにくくなります

また、公文書なので、当事者だけで作成した合意書や示談書などの書面よりも、特別な効力が認められます。

たとえば、当事者だけで作成した離婚協議書では、いきなり給与の差し押さえなどの強制執行はできませんが(一度、慰謝料を払えというような判決をもらう必要があります)、公正証書は、強制執行してもよいよという言葉が公正証書に入っていれば、判決をもらわなくても、給与の差し押さえなど強制執行をすることができます。

また、公正証書でない遺言書であれば、家庭裁判所の検認という手続きを取らなければ、不動産の登記を移転することができませんが、公正証書遺言であれば、検認という手続きを取らなくても登記を移転させることができます。

また、公正証書は、公証人役場で20年くらい原本を保管してくれます。そして、平成以降に作成した公正証書であれば、全国どこの公証人役場からも、公正証書存在するかどうかを調べることができます。

以上、証明力の問題、強制執行等の効力が認められること、原本を20年間保管してくれることメリットがあります。

なお、公正証書の作成手順ですが、弁護士に依頼している場合は、弁護士と公証人が文章の内容・作成日程等もきめるので、特に気になさる必要はございません。委任状があれば、あなたが、公証人役場に行く必要もありません。

少し、難しい話をしましたが、まあ、遺言書は公正証書にしておこうかなくらいの意識を持ってもらえればと思います。