離婚の相談者から、「いつ、弁護士に依頼すればいいですか。」と質問を受けることがあります。
答えとしては、ケースバイケースとしか言えないですが、弁護士から見て、弁護士に依頼した方がよいというケースと、まだ、弁護士に依頼しない方がよい場合というのがあります。
抽象的にはなりますが、まだ弁護士に依頼すべきではないか、弁護士に依頼した方がよいかについて、簡単な基準を示させていただきます。
当事者間で、離婚の条件について協議できている場合(自分に不利な条件ではない場合)には、弁護士を選任する必要はない段階です。特に、裁判をした場合よりも有利な条件で交渉ができている場合には、弁護士を選任しない方がよいでしょう。いきなり弁護士に依頼をしてしまうと、相手方に警戒心を持たれてしまう可能性があります。そうなると、相手が弁護士を選任して、弁護士から「裁判をした場合このような結果になる」というアドバイスを受けて、じゃあもっといい条件で離婚したいと考えるようになるかもしれません。その結果、離婚の交渉が長引くということもありうるでしょう。
当事者間では離婚条件について話し合いができないときには、弁護士を選任した方がよいでしょう。特に、相手方が、どちらが正しいとか、どちらに非があるとか、道徳的な話ばかりしてきて、離婚条件について協議できないときには、当事者間の話し合いによる解決は難しいので、弁護士に依頼した方がよいのではないかと思います。このような道徳的な話で時間を費やすのは、労力の無駄であり、人生の再スタートを遅らせるだけになってしまいます。
もちろん、弁護士に依頼するかどうかは別にして、法律相談自体は、早めにした方がいいことは間違いありません。正確な情報を把握したうえで交渉すれば、今の交渉内容が自分にとって有利なのか不利なのか判断できます。そして、相談していること自体は相手に伝える必要がないので、警戒心をもたれない方法で交渉を続けることも可能でしょう。