債権回収の手段としての支払い督促

インターネット上で債権回収を調べると、「支払督促」という単語に出会うことが多いのではないでしょうか。

 

いったい支払督促とは、どういうものなのでしょうか

 

支払督促というのは、まず、相手の住所地を管轄している簡易裁判所に、「相手にお金を支払え。」と命じてくださいという申立をして、相手方が一定期間内(相手方に書類が届いてから2週間)に異議を述べなければ、次に、一定期間内に仮執行宣言も申立という手続きをすれば(仮執行宣言の申立をできるようになってから30日以内)、裁判所は、仮執行宣言付支払督促というものを出してくれます。この段階で、相手方に対して資産の仮の強制執行をすることができます。

そして、仮執行宣言付支払督促が届いてから2週間以内に、相手方が異議を述べないときには、この仮執行宣言付支払督促は、確定判決と同じ効力が認められることになります。

 

 我ながら、わかりにくい説明ですね

 

 簡単に言うと、相手が文句を言わなければ、訴訟よりもずっと短時間、かつ、簡単な手続きで、判決と同じ効果が貰えますよ、ということです。

 

 このように書くと、とても魅力的な手段のようにも思えます。

 

 しかし、支払督促は、あまり実効性のない債権回収手段だと思います。

 

 なぜなら、相手方が文句を言えば、結局、通常の裁判手続きになってしまいます。そして、相手方がお金を払わないのは、何らかの不満があることが多く、そうであれば文句を出すのが普通だからです。支払督促をしても、結局、相手方から異議が出て、通常裁判になることがほとんどです。

 

 また、異議を言わない相手というのは、裁判には勝てないことはわかっているけど、支払うべきお金がない、と諦めている人が多いと思います。だから、判決と同じ効果をもらっても、結局はお金を回収できないまま終わるということが多いと思います。

 

 以上、支払督促をしても、文句を言われて通常裁判に移行するケースが多いこと、文句を言わない人からはお金が回収できないケースが多いことに照らせば、支払督促と言うのはあまり効果的ではないのかなと思います。 

 

 債権回収に関しては、ぜひ、弁護士にご相談ください。