強制わいせつに関する判例変更について

昨日、最高裁判所で、刑事事件の「強制わいせつ」に関する判例変更がありました。

これまで、「強制わいせつ」の犯罪が成立するためには、犯人に「性欲を刺激し、満足させる性的意図」(簡単に言えば「エロい気持ち」)が必要とされていました。

例えばですが、何かしらで恨んでいる女性に対して、報復する目的のみで、裸にして写真を撮影したというケースでは、性的意図がないということで、強制わいせつ罪は成立しませんでした(ただし、強要罪とか、他の犯罪に該当するので、しっかりと処罰されますが)。

しかし、今回、最高裁は、必ずしも性的意図は必要ありませんよ、と判断したようです。

最高裁は、

①誰がどう見たって、この行為は、これはわいせつな行為と判断するでしょう、というものについては、本人に性的意図は不要である

②わいせつな行為かどうか不明確なものについては、いろんな事情を総合的に判断するしかないですが、その際には、本人の性的な意図も判断要素の一つにすることまでは否定できないですよ

と言っているのだと思います。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/256/087256_hanrei.pdf

元検事の方が書いた記事によると、痴漢行為のうち、多くの痴漢行為(衣服の中にまで手を入れないもの)迷惑防止条例で起訴されていることが多いが、強制わいせつで厳罰化を図ることも可能なようですね。

満員電車では、痴漢に間違えられないように、両手をあげている人もいましたが、厳罰化されると、冤罪を恐れた男性全員が万歳している車両も出てくるかもしれないですね。

 

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