離婚~不動産の処理方法から発生するリスク~

前回、不動産の分割方法によっては、リスクが発生すると説明しました。

では、どのようなリスクが発生するのでしょうか。

よくあるパターンとして、住宅ローンの主債務者が旦那さん、連帯保証人(連帯債務者)が奥さん、離婚後は旦那さんが住宅ローンを払い続けていたというケースがあります。

そして、離婚から10数年後、奥さんの手元に、金融機関から支払い督促が届く。

「ご主人が住宅ローンを滞納したので、期限の利益を喪失しました。数千万円を一括で支払ってください。」という内容の手紙。

そして、奥さんは、なすすべもなく、自己破産することとなり、離婚後貯蓄していた預金を失い、積み立て式の保険も解約せざるを得なくなった。

決して、珍しいケースではありません。

また、離婚から○○年経過後、旦那は、少しでも金利の安い住宅ローンに切り替えようと考えていました。しかし、住宅ローンは、奥さんも共同名義になっていたため、別れた奥さんの承諾がなければ、住宅ローンの切り替えができない(旦那だけの名義のローンに組み替えるために、不動産を旦那さんの単独所有にする必要があることが多いです)。しかし、感情の対立から、なかなか、不動産の名義変更に協力してくれないというようなケースもあります。

もちろん、離婚時にすべてのリスクを回避できるかと言われると、不可能ですとしかお答えできません。

しかし、回避できるリスクもあります。

ぜひ、不動産の分配方法については、弁護士に相談してみてください。