遺産相続問題

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遺産相続

遺産相続問題は、一度紛争に発展してしまうと、感情的な対立から単なる金銭問題にとどまらず、長期化することが少なくありません。そうなってしまうと、もはや当事者だけで紛争を解決することは困難です。
もし、遺産相続問題に発展する可能性がある場合には、早急に弁護士に相談してください。早期に、弁護士が介入することで、紛争を回避できたり、紛争の長期化を回避できたりすることも少なくありません。
当事務所では、遺産相続問題について経験豊富な弁護士が、ご相談に対応させていただきます。

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遺産分割を巡る紛争予防に役立たない遺言書を見かけることがあります。弁護士に相談すれば、遺言書の問題点を指摘し、将来における紛争を回避することが可能になります。
また、交流の少ない親族間では、財産の開示方法等から感情的な対立を招き、紛争に発展すると言うことも少なくありません。弁護士を介して、遺産分割協議を行うことにより、無用な感情的対立を防ぎ、紛争を解決できる場合も少なくありません。

紛争の長期化防止

弁護士に任せることで、当事者間の感情的な対立を緩和でき、その都度適切な手続きを取捨選択できることから、紛争の早期解決を図ることができます。

精神的肉体的負担からの解消

弁護士に依頼すると、面倒な相手方との交渉から解放されること、法的に複雑な手続きから解放されることから、精神的・肉体的負担を軽減することができます。

複雑な手続きを全て任せることができる

弁護士に依頼をすれば、被相続人の財産調査から、相続人の範囲確定、必要な書類の作成等、複雑な手続きから解放されることになります。

金融機関に対する死亡届

金融機関に死亡届を提出することで、一人の相続人が不当に遺産を使い込む等、被相続人の預金口座から預金が流出するのを防ぐことができます。

借金の確認

被相続人に借金がある場合には、3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して、相続放棄も検討せねばなりません。そのため、被相続人の死亡後、できる限り早く借金の有無を確認する必要があります。

葬儀費用の負担に関する確認

葬儀費用について、特段の合意が無い場合は、喪主が全額負担となります。
そこで、遺産から葬儀費用を捻出したい、兄妹で平等に分担したいと考えている場合には、葬儀費用の分担について、事前に協議しておく必要があります。

遺言の有無を確認

被相続人の死亡後、できる限り早く遺言書があるかを確認してください。見つかった遺言書が自筆証書遺言の場合は、最寄の家庭裁判所に検認手続きの申立をして下さい。

公正証書遺言の作成

公正証書には、以下のようなメリットがあります。

紛失の防止

公正証書は、作成から20年間は公証人役場で原本を保管してくれます。
最寄の公証人役場に行けば、被相続人が公正証書遺言を残しているかどうかを調べることができます。

責任能力の問題を回避

遺言書があっても、普段交流のない親族から「このときおじいちゃんはボケていた。」「もう考える力は無かった。」などと言われることがあります。公正証書遺言を作成するときは、公証人が、被相続人がしっかりと遺言内容を理解できているか確認をするので、このようなトラブルを回避することができます。

家計簿の作成のススメ

おじいちゃん、おばあちゃんから預貯金口座を預かる等金銭管理を任されている人は、必ず、家計簿を作成してください。
後日、他の法定相続人から、被相続人の金銭を使い込んだと言う理由で、訴えられることも少なくありません(特に、1回当たり数十万円引出しているときには注意が必要です)。

手続き一般について

(1)遺言書がある場合
(2)遺言書が無い場合

(1)公正証書遺言について

  • 作成のメリット(保管が容易、偽造したと言われにくい)
  • 作成において注意すること(遺産分割の指定になってしまうこと)
  • 贈与をしているのであれば、持ち戻し免除を記載すること

(2)遺産分割調停

遺産分割調停とは、家庭裁判所で行われる話し合いのことです。
調停では、相手と直接議論等をするわけではなく、調停委員2名を介して、相手方と話し合いをすることになります。具体的には、自分が、調停委員と話をしている間は、相手方は待合室で待機し、相手が調停委員と話しているときには、自分が待合室で待機することになります。
もちろん、話し合いと言っても、法律を前提とした話し合いが行われることが多いので、法律的な知識を持って調停に臨むことが必要です。

(3)遺産分割審判

遺産分割審判とは、遺産分割調停で協議が整わないときに、裁判官(審判官)が遺産分割の内容を決めることを言います。

遺産分割の方法としては、①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割というものがあります。

現物分割とは、個々の財産の形状や性質を変更することなく分配する方法であり、たとえば一筆の土地を分筆したりすることをいいます。
代償分割とは、特定の相続人が法定相続分以上の財産を取得する代わりに、他の相続人に対して、法定相続分以上の部分の対価を支払うことで分配する方法。例えば、遺産が2000万円の不動産だけ、相続人が二人だけであった場合に、一人の相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人に1000万円を支払うことを代償分割という。
換価分割とは、対象となっている遺産を売却して、売却代金を分割する遺産分割である。
共有分割とは、対象となっている遺産を共有のままで残しておく遺産分割である。当事者の合意が無い限りは、共有分割での遺産分割は考えにくい。

Q法定相続人の中に連絡が取れない人がいるのですが、どうしたらよいですか。

Aまず、弁護士に依頼をしていただければ、住民票等を取り寄せて、相手方の現在の住所地を探すことになります。相手方が住所不定の場合であり、連絡がつかないときには、相手方について不在者財産管理人(行方不明の人の財産を管理する人)の選任を申立てて、遺産分割協議を進めていくことになります。


Q私は、長年、父親の介護をしてきたのですが、遺産相続をするうえで、考慮してもらえますか

Aどの程度介護を行ったのかにより異なりますが、寄与分という形で、遺産分割の際配慮してもらえる可能性があります。


Q法定相続人の一人が認知症になってしまったのですが、どうしたらよいですか

A認知症になった人には、法律的な行為をすることができません。その人に代わって法律行為を行うために、成年後見人の選任を申立てて貰うことになります。


Q父が公正証書遺言を作成していたかもしれません。20年間、公証人役場に保管していると聞きましたが、どこの公証人役場に保管しているのかをどうやって調べたらいいのですか。

A最寄の公証人役場に行ってください。その公証人役場で、お父様が公正証書遺言を作成したか否か、作成したとすれば、どこに保存しているかをパソコンで検索してくれます。


Q兄が一軒家を新築するための頭金を父親から貰っていました。不平等だと思うのですが、遺産分割協議で考慮することはできますか。

Aお兄さんだけが、高額の金銭を援助してもらったのであれば、その援助した金額を遺産分割の際に考慮することができます。
例えば、父親の残した遺産が3000万円、兄に援助した金額が1000万円、相続人が兄と妹の二人だけであったとします。まず、遺産の金額を4000万円(3000万円+1000万円(援助金相当額))と評価します。そして、お兄さんとあなたの相続分はそれぞれ2000万円ずつになります。しかし、お兄さんは、すでに1000万円(援助金相当額)を受け取っていることになるので、実際に、手にすることができるお金は1000万円ということになります。すなわち、遺産分割で、兄は1000万円、妹は2000万円を受け取ることになります。


Q父親が借金をして亡くなったのですが、私も父親の残した借金を支払わなければならないのですか

A借金も相続の対象となっています。そのため、家庭裁判所に相続放棄の申出をしない限りは、父親の借金を支払わなければなりません。なお、法定相続人間の遺産分割協議だけでは、借金の支払を免れることはできないので、必ず、家庭裁判所に相続放棄の申出をして下さい。


Q父とは母は、数十年前に離婚して、私は、母親に引き取られました。その後、私は、父親とは一切会っていません。また、父は再婚して、子どももできたと聞いています。私は、父が亡くなった場合、父の法定相続人に当たるのでしょうか

Aあなたも法定相続人に該当します。仮に、両親が離婚したとしても、あなたと父親が親子であることには変わらないので、相続権が発生することになります。

弁護士と行政書士・司法書士の違いは、代理人として相手方と交渉できるかどうかです。行政書士・司法書士は、原則、代理人として遺産分割の交渉をすることができません。あくまでも、代理人として、相手方と交渉するのは、弁護士だけになります。

司法書士の主な役割は、当事者間で協議が整っている場合に、不動産の遺産分割協議書を作成して相続登記をすることです。
行政書士は、遺産分割協議書の作成等一定の業務はできるのですが、行政書士だからこそできるという分野はありません。