インターネットやテレビなどで、弁護士事務所で、奥さんと不倫相手が同席して、交渉をしているというシーンを見たことがある人は多いのではないでしょうか。
実際に、ご相談者の中にも、自分も不倫相手との交渉に同席するものだと思い込んでいる人もいます。
では、現実的にはどうなのでしょうか。
結論としては、弁護士のスタイルによるというのが正しいのでしょうが、ほとんどの弁護士は、奥さんと不倫相手を同席させて交渉をするということはしないのではないかと思います。
なぜなら、当事者同士で話をしても、感情論が先行してしまい、まともに話し合いにならないからです。
謝る、謝らないも含めて、相手方から期待できるような回答を得られることはまずないでしょう。仮に謝ってもらったとしても心の底から反省しているとは到底思えないでしょうし、思ってもらうことも難しいでしょう。
罵声の浴びせあいになって、まともな話し合いができないということがほとんどではないかと思います。
むしろ、当事者同士を同席させることは、交渉の弊害にしかならないことがほとんどではないでしょうか。
まあ、弁護士にまで依頼しているケースで、道徳観・価値観の面でわかりあえることは難しく、円満解決というのは、結局は解決のための条件面(お金の面、二度と会わないとか)で譲歩して合意が形成できるかどうかの問題に過ぎないような気がします。