離婚問題をたくさん取り扱っていると、慰謝料について様々な質問を受けます。
理由のいかんを問わず、離婚すれば、男性が女性に支払うものであると勘違いしていた人もいました。自分で不倫をしておきながら、慰謝料まで請求するなんて、ものすごい人もいるものだなと感心した記憶があります。
もし、あなたが浮気された場合、慰謝料は誰に対して請求することになるのでしょうか。
①浮気した配偶者、②配偶者の浮気相手、③配偶者と浮気相手両方
正解は、③なのですが、少し複雑です。
浮気は二人でするもの(不特定多数ということもありますが)なので、二人で共同して悪いことをしたということで、共同不法行為というものにあたります。そのために、配偶者と浮気相手が連帯して、あなたが今回の浮気で被った精神的被害に対する慰謝料を支払うことになります。
そして、今回の浮気であなたが被った精神的被害額が200万円だったとします。
あなたは、配偶者、浮気相手それぞれに、金200万円を支払えという請求書を出すことはできますが、慰謝料として受け取ることができる金額は総額200万円までです。
たとえば、浮気相手があなたに200万円を支払ったら、もう配偶者から慰謝料を取ることはできません。そして、このような場合、配偶者は、浮気相手が200万円を支払ったのだから、もうあなたに慰謝料を支払う必要はないと拒否することができます。
もし、浮気相手が支払った慰謝料が100万円だけだった場合、あなたは、浮気相手と配偶者に残り100万円を支払えと請求することになります。
まあ、どちらでもいいから200万円支払え、内部負担は浮気相手と配偶者の問題だから、こっちの知ったことではないということですね。