親権者の指定に関して、画期的な裁判例がでました。
http://www.sankei.com/affairs/news/160330/afr1603300024-n1.html
親権者の決定については、これまでの育児の実績、子どもの現在の環境を維持しようという考えを重視されています。
あくまでも新聞記事の内容からの推定ですが、今回の裁判例は、父親が年100回の面会交流を希望していること、を主たる理由に親権者を父親としたというように記載がされています。また、一方的に子どもを連れて出て行ったにもかかわらず、父親と子どもの面会を妨害していることは、子どもの利益につながらないというのが最大の理由かもしれません。
今回の裁判例は、画期的ではありますが、まだ、同調する裁判官は少ないのではないでしょうか。控訴審で、家裁の判断とは真逆の判断が出る可能性も高いとおもいます。
私も、面会交流の調停はたくさんしてきましたが、週1回会わせろと主張しただけでも、調査官と調停委員は「何を言ってるんですか?」と不機嫌になることが多いですからね。
また、母親が被害妄想にかかり、子どもと学校の関係を断ち切ったため、父親が環境を変えて中学にしっかり通学させるために親権者の変更を求めたケースでも、親権者の変更は認めてくれませんでした。
以上のような家庭裁判所の空気からして、年100日会わせてくれということが、親権者変更にとって有利な要素となるようには到底思えません。
しかし、この裁判例もそうですが、徐々にではありますが、DVなどの特別な事情がない限り、子どもとの面会交流を妨げることを許さないという考えが広がりつつあるのではないかという気がしています。
また、小学校・中学校などの教育を通じて、親と子の面会交流の重要性を浸透させていことが必要かもしれないですね。